2010年8月10日火曜日

Intelマック(SnowLeopard)で、富士通の親指シフトキーボードが使えた!

久しぶりに書くというのに、実にマニアックなこの話題。。。。
しかし、必要な人には大変有用と思うので、書き記しておきます。

知らない人がほとんどでしょうが、「親指シフト」という、物凄いキーパンチシステムがあります。
これを身につけてしまうと、ローマ字入力になんか、とても戻れません。
これは、親指シフト入力者の「全員」が言うことでしょう。
詳しくは、こちらをどーぞ。ウィキペディアにも出ています。
http://nicola.sunicom.co.jp/

さて、もともとこの親指シフトという打ち方(キー配列)は富士通がワープロ時代に導入したものですが、今や、富士通だけで細々とキーボードを売っているくらい。
それをWindowsマシンではなく、マックのパソコンに入れるとなると実に大変なことになります。
それでも、マックのキーボードを無理やり親指化するソフトもあったし、富士通の親指シフトキーボードをマックで使えるようにするドライバー(OyayubiDriver)も出ていました。
私はこれまで、マックのキーボードで親指シフトをするのはかなり無理があるので、富士通のキーボードを買い、OyayubiDriverを使って、隅から隅までブランドタッチで快適に作業していたのでした。

しかし今回、新しいマックに買い換えるに至り、その選択肢がなくなってしまいました。
実は、25000円できちんと親指シフトキーボードに対応させるソフトも出ているんですが、やっぱり高い。
いや、きちんとサポートもされるようだし十分価値はあると思うので、金のある時なら即買ってたけど、今は貧乏。

ということで、ほとんど泣きながら、新しいマックに付属していたステキな小さいキーボードを使って、ローマ字入力に慣れようとしていたわけです。
しかしとにかく、ほんとうにローマ字入力というのは鬱陶しい!
日本語をいちいちローマ字に頭の中で変換しなけりゃいけないし、特に面倒なのは、「、」と「。」が右下隅に隣り合って位置していること。
すごくよく使うのに、右下隅で、しかも隣り合っているとはなんたることか。
(親指シフトでは、右上と左上の打ちやすい位置に分かれています)

そこで、もう何度目の挑戦になるかしらん、現在の環境で、つまり、「新型のIntelマックで」「OSも最新のSnowLeopardで」「今持っている富士通の親指シフトキーボード(FMV-KB231)を」「無料で」使えるようにならないか……今しがたまでトライして、ついに成功したのでした。
まあ、前と比べるとちょっと使いにくいところもまだあるけれど、このへんはすぐ慣れる、ほぼ問題にならない程度です。

上のようなことを望んでいる人はごく少数でしょうが、だからこそ、ネットを調べても「なんとか使えないか」とみなさん四苦八苦してらっしゃるので、敬愛すべき同志のために、その方法を記しておきます。
(もちろん、できてる人はできてるんだけれど、ネット上では一人しか見つけられなかった……)



必要なのは、PCKeyboardHackKeyRemap4MacBookというソフト。
この二つは、どちらもTakayamaさんが公開しているフリーソフトです。
これをなんとか使えないかと以前から注目していたんですが、なにせ全部英語表記で、私は英語が苦手だし、しかもパソコン英語となるとちんぷんかんぷん。
ところが、さらに調べてみるとDaisukeさんのブログで、ついに決定的情報を見つけました。
http://www.matsuoh.com/2010/08/mac.html

こちらをご覧いただければほぼわかると思いますが、それでも私レベルでは苦労したのでまとめておきます。


1)まずは以下から、自分のパソコン環境に合ったバージョンの各ソフトをダウンロードします(OSはLeopard・SnowLeopardに対応しているようです)。
・PCKeyboardHack
http://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/extra.html.ja  (Takayamaさんのサイト内)

・KeyRemap4MacBook (バージョン6.8.25のダウンロードアドレス)
http://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/files/KeyRemap4MacBook-6.8.25.pkg.zip

2)ソフトの説明に従ってそれぞれをインストールすると、「環境設定」にアイコンが現れます。

3)環境設定の「PCKeyboardHack」アイコンをクリック、その中の「For Japanese」タブから、「Enable XFER Key」と「Enable NFER Key」にチェックを入れ、環境設定に戻る。
(これにより親指シフトキーボードで、左親指キーに「英数キー」が、右親指キーに「かなキー」が当てられるようになるようです)

4)環境設定の「KeyRemap4MacBook」アイコンをクリック、「Change Key」の中の「For Japanese」>「Change Keyboard Layout」>「Oyayubi Shift Input」で「<ローマ字モード>左シフト=英数、右シフト=かな」にチェックを入れる。

5)For Japanese > Change EISUU Key > EISUU x2 to EISUU (単発での英数キーは無視する) あるいは、
 For Japanese > Change EISUU Key > EISUU to Space (+ 英数キー長押しで通常の英数キーにする) にチェックを入れる。
(これで左親指キーを押した時に、変換中でも英数モードに切り替わってしまう現象を回避することができます)

以上で、親指シフトキーボードがIntelマックで使えるようになります。
ほかにもいろいろなキーに違う役割をさせることができるので、使いやすいように工夫してみてください。

私は、まずマック本体にある「環境設定」>キーボード> 装飾キーで、「Optionキーをコマンド」に、「コマンドキーをオプション」にして、マックキーボードの配列にしました。
また「PCKeyboardHack」で「Change CapsLock」にチェック、「KeyRemap4MacBook」で「Escape to CapsLock」にチェックを入れました。
これで、一番左下、マックでの位置のCapsLockキーが利かなくなっていたのを、一番左上で使わないEscapeキーにあて、CapsLockが利くようにしました。
ほかにも、わかる人ならもっといいように使える方法があると思います。

ちなみにこの方法ですと、今は販売中止になっている私の親指シフトキーボード(FMV-KB231)だけではなく、今売っている親指シフトキーボードでも、あるいは、マックのキーボードよりは親指化しやすいWindowsキーボードでも通用するはずです。
確約できませんが、たぶん。。。。


といったことでした。
正規の打ちやすい親指シフトキーボードをマックで使ってみたい方、試してみて下さい。
あくまで自己責任でお願いします♪
(満足されましたら、Takayama様へのご寄付をお勧めいたします。http://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/donation.html.ja


最後に、Takayama様、Daisuke様、ありがとうございました。
お二人のご尽力がなければ、私はまだローマ字入力を続け、小指を痛め、腱鞘炎にもなっていたことでしょう。
冗談ではなく。
心より御礼申し上げます。


注)
・ご紹介したフリーソフトは、DoubleCommand や Tesla などの他のリマッパーとの併用は出来ません。インストール前にアンインストールしてください。
・当方の使用環境は、「iMac3.06ギガタイプ、SnowLeopardバージョン10.6.4、ATOK2010、富士通親指シフトキーボードFMV-KB231」です。それ以外の上記動作保証はできません。ちなみに、ことえりでは上段の 〜 「 」{ }( )などを打つとほかの文字が出るといった現象以外、親指シフトとして動作しました。
・下の、作者お二人によるコメントも参照してください。

16 件のコメント:

tekezo さんのコメント...

KeyRemap4MacBookの作者の高山です。

> 今のところ、左親指キーを押すと変換中でも英数モードに入ってしまうことなどが、多少の不都合です。
こちらについては、どのような動作が望ましいのでしょうか?
(親指シフトについて詳しくないのでよくわからないのです……)

変換中のみ左親指キー(英数キー)を無視するといった動作はことえりなどに手を入れないと実現不能なので現実味はありませんが、
左親指キーを二回連打しないと英数に切り替わらない(偶発的な単発押しは無視される)といった動作であればKeyRemap4MacBookで対応できるかと思います。

先崎綜一 さんのコメント...

高山様、さっそくのご対応、ありがとうございます!

英数モードに入ってしまうのは、ちょっとうしか不具合でして。
本来は左親指キーが「無変換」なので、長文の変換作業中に、無変換として確定したい部分が出てくると、つい押してしまいまして、すると英数モードになり、変換中の全文が確定されてしまうのでした。

これは、変換作業中に左親指キーを使わないようにすればいいだけですので、慣れの問題でなんとかなります。
でも、二回連打でないと英数に切り替わらない、という方法があるのですね。
いろいろ探して、やってみたいと思います。

本当にご親切に、ありがとうございました。

Daisuke さんのコメント...

先崎様

はじめまして。松王と申します。コメントをありがとうございます。
そして、小生が割り当てたマッパーを試して頂きまして、ありがとうございます。これも高山様のソフトが非常に拡張性があって容易に実現する環境が整っていたお陰です。

>今のところ、左親指キーを押すと変換中でも
>英数モードに入ってしまうことなどが、多少の
>不都合です。
>改善策がわかる方がいましたら、教えて下さい。

以前、私もマックのキーボードの英数キーを左シフトに割り当てていましたが、同じ理由でイライラした記憶があります。結局、私はスペースを左シフトに割り当てることで、イライラが軽減されました。
間違って押してもスペースキーとして働きますので、それまでタイプした文字が変換されるため、問題ない場合が多いからです。
さらにスペースキーって通常の親指シフトキーボードって押しにくいところに追いやられていますので、左シフト単独押し=スペースは快適です。(Japanistでもこのように設定出来ますので、もうすでにそう設定されているかもしれません。。。)

もしよろしければ、日本語入力中は左シフト=スペースとなるように変更したものを追加で作りましょうか?使える様であれば、Takayama様のソフトに取り込んで頂けるように御願いしてみるというのは。。
(左シフトのキーと右シフトのキーを任意に設定するような設定の仕方があるのが理想なのは分かっていたのですが、まだそこまでソフトの裏を読み切れていません。。。インターフェイス的にも特別な処理がないと使いづらいでしょうね。もともともっと一般的に、そして国際的に使えるように設計されているようですから!すばらしいです。)
いずれにしても、現在のバージョンではきちんと割り当てがされていないキー『』.,またカナ入力モードでのマッピングなど作る予定がありますので、マッピングの件で何かご希望がありましたら、ご連絡頂ければと思います。
PCKeyboardHackとマッピング以外のKeyRemap4MacBookのコアについてはあまり詳しくはありませんのでご了承下さい。

高山様、何か不都合な点があればご指摘下さい。
それでは、Mac+親指シフトは大変なことが多いですが、頑張って敷居を下げていきましょう!

Daisuke さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
先崎綜一 さんのコメント...

松王様、ご連絡ありがとうございます!

>間違って押してもスペースキーとして働きますので、それまでタイプした文字が変換されるため、問題ない場合が多いからです。

なるほど!です。
私はJapanist使用経験がなく、マックでATOKを使っていますから、その手はできませんでした。
確かに、スペースキーも打ちにくいんですよね。
親指左キー(英数キー)がスペースキーになれば、解決しますね。


>日本語入力中は左シフト=スペースとなるように変更したものを追加で作りましょうか?

ご提言、ありがとうございます。
しかし、そこまでお願いしてしまってよろしいのかどうか……。
でも、松王様がいろいろマッピングを作るご予定なら、これも含めていただければ大変ありがたいですし、マック+親指シフトキーボーダーの皆さんにも朗報と思います。

私自身は、本当に今また親指シフトに戻れて快適です。
無償のご尽力に、心より感謝しております。
ありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

Takayama Fumihiko さんのコメント...

高山です。こんにちは。
一応、英数キーまわりの設定を追加しました。
おそらくは松王さんが追加される設定のほうが筋が良いかとは思いますが、今回追加したものでも急場しのぎになれば幸いです。
http://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/files/KeyRemap4MacBook-6.8.25.pkg.zip

- For Japanese > Change EISUU Key > EISUU x2 to EISUU (単発での英数キーは無視する)
- For Japanese > Change EISUU Key > EISUU to Space (+ 英数キー長押しで通常の英数キーにする)

今までの設定はそのままで、上のいずれかを有効にすると意図しない英数キーの暴発は防げるかと思います。

先崎綜一 さんのコメント...

高山様

さっそくの変更、本当にありがとうございます。
「二度押しで英数になる」設定をしましたが、もうほとんど普通に打てます。
暴発まったくなしですし、二度押しでさっと英数モードに変わるところなど、前より使い勝手がいいくらいです。

新しいマックに買い換えたいと思ってから、ずっと探っていた私としては、このように急な展開でどんどん快適になっていくとは思いもよりませんでした。
とりあえずスペースキーでの変換は慣れればいいので、これでもうほぼ十分と思えます。

ちなみに私のほうでは、親指シフトキーボードの左上、英数のキーにEscapeを当てたりして、より快適な環境作りをしていました。
KeyRemap4MacBook、素晴らしいですね。
ntelマック+親指シフターの人たち(または古い機種から買い換えを検討している人たち)にとって、とても心強いと思います。
心より御礼申し上げます。


松王様
これでひとまず十分な環境になったと思います。
より完全なものにつきましては、じっくり高山様のペースで取り組んでいただければと思っております。
大変親身にアドバイス等いただき、本当にありがとうございました。

親指シフトの普及のためにも、ご両名様ともども、今後ともよろしくお願い申し上げます。

(これでいろいろな成功ケースが報告されると嬉しいですね♪)

Takayama Fumihiko さんのコメント...

高山です。役になったようでなによりです。
また何かリクエストや気付いた点などありましたらご連絡ください。

Daisuke さんのコメント...

高山さんの対応が恐ろしく早くてすばらしいですね!
いい環境が整ったということなので、私は今の不具合と、かな入力モードを作っていこうと思います。(提案の件も)しかし、夏休みがもう終わってしまい、本業が忙しくなってしまい、なかなか手がついておりません…

>ちなみに、ことえりでは上段の 〜 「 」{ }( )などを打つとほかの文字が出るといった現象以外、親指シフトとして動作しました。

…ほんとですね。。マッピング間違えてました。すみません。開発中に履歴が前後したんだと思います。なさけなや。。バージョン管理しないとですね。
あと私もマックではATOK使ってるんですが、ことえりと記号は出てき方が違いますね。。ちょっと調べて直してみます。
完成いたしましたら高山さんと先崎さんに報告いたしますので、またお試し頂ければと思います。
時間をみつけてやってみますので、少しばかりお待ち頂ければと思います。

先崎綜一 さんのコメント...

高山様、松王様、ご連絡ありがとうございます。
フリーソフトなのにここまでやっていただいて、大げさではなく感謝の極みです。
せっかくですから、ほかに同様のことで悩んでいる人に、この情報が届くよう、少し書き込みなどしてみようと思っている次第です。
ありがとうございました。
またよろしくお願い申し上げます。

杉田伸樹(ぎっちょん) さんのコメント...

はじめまして、「親指シフトウォッチ」というブログを書いている杉田伸樹(ぎっちょん)と言います。

トラックバックができないようなのでコメントで失礼いたします。

この記事の句読点についての記述に関してブログの記事を書きましたので、よろしかったらご覧ください。

http://thumb-shift.txt-nifty.com/contents/2010/08/re-intelsnowleo.html

Takayama Fumihiko さんのコメント...

高山です。こんにちは。

記号まわりについて調整をしてみましたので機会があればご確認いただければ幸いです。
http://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/files/KeyRemap4MacBook-6.8.39.pkg.zip

変更点は以下のようになっています。
■ Z 単独押しを . に
■ P 単独押しを , に
■ / 単独押しを ・ に
■ シフト+6を [ に
■ シフト+7を ] に
■ シフト+0を 『 に
■ シフト+-を 』 に

先崎綜一 さんのコメント...

高山様

お久しぶりです。
という間に、いろいろ改良を加えていただいていたのですね。
ありがとうございます。

検証の結果、ATOK2010では、
■ シフト+6を [ に
■ シフト+7を ] に
■ シフト+0を 『 に
■ シフト+-を 』 に
ができず、しかし[ ]が普通に親指シフトで打てるようになりました。
前の時代から『 』は打てなくて、「ひかぎ」「みかぎ」で変換できるようにしています。
私もいろいろいじっているので、シフトキーに何か割り当てているのかもしれませんし、キーボードの違いによるのかも?
なににしろ、ほかはオーケーで、重宝しそうです。

現状、変換を空白キーで押すのも慣れ、無変換キーのないのが少し戸惑いますが、ほかほとんど問題なしです。
ただ、100に1くらいですが、早く連続して打つとローマ字が数文字ずらっと出るという不思議な現象が起こることがあります。
規則性は今のところ見当たらず、ごく稀に出てくるぐらいですから、これは仕方ないだろうと思っています。
きっと、親指シフトキーボードの打鍵速度の優位性を示す現象だ、なんて思い、悦に入っている次第です。

本当にありがとうございました。
これからもどんどん広げていきたいと思っています。
もし何か協力できることがありましたら、ご遠慮なくお申し付けください。
よろしくお願い申し上げます。

先崎綜一 さんのコメント...

高山様、松王様、いろいろとありがとうございます。
さっそくインストール、試し打ちしてみました。

上段のキー、「」[]はまったく問題なしです。
また、ローマ字出現については、あれからいろいろやってみて、どうも「っ」が関係しているような感じがありました。
たとえば先日、「鬱陶しい」と打ったところ、ローマ字(「うxtousii」だか)になりました。
そこで何度も打ってみましたが、なったりならなかったりと、やはり規則性がつかめませんでした。

さて、今回の新規インストール後、けっこうな分量打ってみましたが、このようなローマ字表記が出るパターンはなくなりました♪
もはや問題なしと思います(もともと、とても助かってましたが)。

返す返す、お二方には感謝申し上げます。
何かありましたら、今後ともよろしくお願い致します。

Takayama Fumihiko さんのコメント...

高山です。こんばんは。
ご確認いただきありがとうございました!
問題もないようで安心しました。

ローマ字打ちだと「っ」はxtuで3文字打つ必要があって、
元々早い打鍵速度もあいまってキーイベントの発生速度が限界を越えてしまったとかでしょうかね。
かな入力で解決したようでよかったです。

また何か気付いたことがありましたらご連絡いただければ幸いです。

先崎綜一 さんのコメント...

高山様
いつもご丁寧にありがとうございます。
あれから不具合はまるで起こらず、大変快適です。
願わくば、この入力環境をたくさんの人が享受するようになりますよう♪