2010年8月21日土曜日

「リング」をめぐる雑感

オークションで600円で競り落とし、「ザ・リング」「ザ・リング2」を観た。
例の日本の「リング」の、ハリウッド・リメイク版(2005年)。
何を今さらこんなものを、と呆れられそうだが、「ザ・リング」はホラームービーとしてではなく、推理・サスペンスものとしてけっこう好きで、テレビ録画したのを何度も見ていた。
つまり、短縮・日本語バージョンを何回も何回も観ていたわけ。
それでつくづく思ったのだが、これまた今さらだけれど、「やっぱり外国の映画はオリジナルの言葉で観るのが一番だなー」と。
天地の違い、というよりは、まるで別物に感じる。おおざっぱに言うと、格調高かった。

そんなこんなをしているうちに、テレビ東京で日本版「リング」三作品シリーズが一挙放映された。
こちらのほうがオリジナルなわけだが、あのじっとりした展開、長ーい間、理論的破綻など、どうしても馴染めない。
でも確かに、オリジナルのほうが、ちと怖い。おぞぞ感は、こちらのほうがある。
ところが私は、小さい時は人並みはずれて臆病だったくせに(初めて月を見たとき泣きわめいたという……)、今では夜中に墓の隣を歩いても平気な有様。
なので今の私にとって、恐怖はちょっとしたスパイスでしかない。

とはいえ、臆病な人が恐怖映画に惹かれるという話があるように、私の中の臆病が、こうした映画を引き寄せるのだろう。
リングリングで数日すごし、頭の中が少しリング色になった。

ちなみに今、けっこうグロテスクな小説を書いている。
もともとホラー的場面が出てくるのだが、初めは純文学のつもりで書いていた。
しかしどうも、この作品は純文学として成立させるのは難しそうに思えてきた。
あまりに日常から外れていて、説明のための具体的描写が多くなってしまうので。
今やサスペンス・SF・サイコホラーものへと方向転換してきている。
ある程度構想を練ったら書き始め、書いているうちに物語が動き出す、という作法を取っているので、こういうことが起こる。
まあ、かなり純文学色を持ったサスペンスホラーにしたいのだが、どうなることか。
破綻して途中放棄しないことを祈るばかりだ。

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